倉敷、福岡でのコンサートの余韻を抱えたまま
松江市玉湯町にある『湯町窯』を訪れた。 子どものころ大好きだった 玉子のための小さな陶器の鍋が 『湯町窯』のものだと知ったのは、 自発的に民藝を求めるようになってからである。 『湯町窯』の陶器は、 どれもこれも陽気である。 色も、形も、風合いも、 どのうつわを手に取っても なんだかとても楽しくなる。 陶器の並べられた棚を飽きずに見ていると、 休憩時間なのだろうか ご当主の福間琇士さんが作業着姿で出て来られた。 「これはどこのものですか?」 いきなり私の着ていたコートに触れながら ストレートなお尋ねである。 「ボリビアという南米の国の織物です。」 「素材は何ですか?」 「ウールの手紡ぎ手織りです。」 「その国の人たちは、今でもこれを織っていますか?」 「はい。地域によっては今も織られていますが、やはりどんどん減ってきています。」 ・・・・・次から次へと質問は続く。 南米地域の略図を描いたり、 ポンチョやアワイヨ、アクスの説明をしたり、 ボリビアの気候風土、アンデスの歴史、 そこに暮らす人たちの生活などなど、 椅子に座り込み、 質問と応答の、楽しい会話が続いた。 「焼物で、いろいろな新しい試みもするのですが、 こういう手仕事を見せていただくと 原点に返ることの大切さを教えられます。 私はほとんどここから動く事がないのですが、 今日は良い旅行をさせてもらいました。」 ・・・・・・・・・・ 日常使いの美しさ、力強さ、温かさ、 そして芯の太い伝統と、 正しき新しさの姿とを、 『湯町窯』で見せていただいた。 奥さまが点ててくださったお茶が、 優しく、温かく、 とても美味しかったことも 忘れられない。 一度工房に戻られた琇士さんが 再び出て来られた。 「ボリビアに焼物はありますか?」 次回ボリビアのうつわを携えて また近いうちに伺います。
by mixturamusic
| 2017-01-31 20:56
|
以前の記事
2021年 01月2020年 12月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 06月 2020年 04月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 09月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 検索
その他のジャンル
最新の記事
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||