もう何年も前の話。 日本のあるケーナの先生から、 「“フォルクローレ協会”のようなものを立ち上げてほしい」 という趣旨のご連絡をいただいた。 「日本でフォルクローレが盛んになるために、どうかご尽力を…」 とのことだったと記憶している。 日本に帰ってきたばかりの頃、 実は私も、そういったものがあった方が良いのでは? と考えていたことがある。 しかしそれは、『本場の音楽を正しく伝えたい』というのが目的であった。 ときどき耳にする言葉である。 『盛んになる』とはどういうことか? フォルクローレを好きな人が増えること? いやいや、そうではなさそうだ。 フォルクローレを演奏する人が増えること!!! おそらくそうであろう。 他のジャンルのことはよく分からないが、 フォルクローレ・ファンには、自ら演奏する人がいかに多いことか… 日本のフォルクローレのパイオニアと呼ばれていた人に、 「フォルクローレを日本に根付かせるためには、演奏せずとも聞くのが大好きなファンを増やすことが大切なのでは?」 という趣旨のことを言って、一蹴されたことがある。 「フォルクローレは、やっぱり何か楽器をやらなきゃ!」 「……………」 やはりフォルクローレを『盛んに』したかったようだ。 「フォルクローレを盛んにしたい目的は何ですか?」 以来返事をもらっていない。 ・・・・・・・ 急にこんな話を思い出したのは、 シークの材料が現地で枯渇しているということを耳にしたから。 Zongo〜ソンゴという地方の材料で、 tubo〜菅が極めて薄く、ラパス周辺では昔からソンゴ材のシークが使われてきた。 シーク特有の、ちょっとハスキーな音…ソンゴ材の特徴である。 25年くらい前にもソンゴ材の枯渇が問題になり、 自生場所を保護して、再び手に入るようになっていたはずだが。 そのソンゴ材のシークの行き先の多くが、 実は日本だそうだ!!! 日本は…フォルクローレが盛んな国である…。 極度に盛んになった状態を『流行』という。 流行は商機である。 儲けたい人たちは流行を狙う。 流行の通り過ぎた後は… 殺伐が横たわるのみである。
by mixturamusic
| 2019-02-07 20:49
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