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arte(芸術)の社会性
arte(芸術)はいのちの発露である。

命〜いのちが
さまざまな形で
表出する。

担手によって表出された
いのちは
受け手のいのちと感応する。

偽りのない
邪念のない
奢りのない
下心のない
いのちの表出は
必ず、受け手のいのちに
作用する。

たとえ受け手が気付かなくとも
受け手のいのちに
ポジティヴにとどまる。

arte(芸術)の社会性_c0357413_23512890.jpg


いのちを
本能とよんでもよい。
本性とよんでもよい。
本質とよんでもよい。
鈴木大拙博士は、霊性とよんだ。

好嫌や
感情や
感動や
癒しや
無意識ですら生じる前の
根源的ないのちである。

arte(芸術)の社会性_c0357413_23510562.jpg


それぞれのarteは、必然的に生まれ
それはそのまま
いのちを繋ぐ糧として
技術的にも
霊性的にも
いまのいままで、存在してきたはずである。

それが『arteの社会性』だと
私は考える。



# by mixturamusic | 2016-08-31 23:51
温かく、力強く、優しく
  トルストイの民話『イワンのばか』で、イワンの国の唯一の習わしは、「どんな人でも手のゴツゴツした人は食事のテーブルへつけるが、そうでない人はどんな人でも他の人の食べ残りを食べなければならないこと」とあります。森羅万象の巡りの中で、暮らしを営むために働く手は温かく、働く足は力強く、働く心身は優しさに満ちています。
  フォルクローレの生い立ちがそうであるように、音楽が、すべての人々の暮らしとともに、呼吸し鼓動する存在でありたいと思っています。生命を全うするために働く誰しもが、温かく、力強く、優しい毎日を送れる世の中にしたいと願っています。
木下尊惇
----------
7月30日 永山子ども基金コンサートのプログラムに寄せた文章である。

今回のコンサートに招かれた、ペルーの働く子どもたちの組織『マントック』のメンバー、トミーくんとアニーさん(共に16歳)の笑顔も、会の創始者アレハンドロ神父のお人柄も、温かく、力強く、優しさに満ちていた。

心にダメージを与えるニュースが蔓延する中でも、希望の光は決して消えることはない。未来へと繋がる花々は、たとえそれが小さくても、世界中でたくさん咲いているはずだ。

温かく、力強く、優しく_c0357413_20402488.jpg





# by mixturamusic | 2016-08-01 21:09
星空
7月9日 パンカーラ・ライブのあと
美しい 星空を見た。

上弦の三日月が 西の山の端にかかり
透き通るような藍色の
空の縁には 薄い靄が引かれていた。

たくさんの星

文字通り きらきらと
またたく
天は近くもあり
どこまでも 高くもあり

その真ん中に流れる
乳白色の 天の河

羽二重のような靄を透けて
さらにたくさんの星たちが
きらきらと かがやく

天地いっぱいの美しさ
天地いっぱいのいのち

生きとし生けるものたちの
森羅万象 宇宙いっぱいの
美しさ

空を見て
山を見て
海を見て
川を見て
野を見て
道を見て
手を見て

美しさを感じることは
しあわせを感じることだ

星空_c0357413_08163191.jpg

十年ぶりに再会した
友人が

嬬恋村で
とてもすてきなお店を
ひらいていた。

KAFE

北軽井沢にお出かけの際は
ぜひお立ち寄り下さい。




# by mixturamusic | 2016-07-25 08:50
美しきために
福岡、北九州、福岡と続いたコンサートのあと
焼物の里、小鹿田(おんた)を訪れた。

十件の窯元が
昔ながらのスタイルで
普段使いのうつわを制作している。
山間の里の あちらこちらで
川の流れを利用した 唐臼の音が
力強く響く。

一子相伝を頑に守り
ロクロをひき
伝統模様を施して
作者の銘を入れず
登り窯で焼き上げる。

「むやみに 昔を 変えぬように」

柳宗悦の言葉に 共同体の未来を信じた
小鹿田の窯里は
どこを どう歩いても
美しい。
美しきために_c0357413_23510847.jpg


・・・・・

棚田の一番上の田んぼに
やっと 水が 入り始めた。

川の上流の堰から引き込んだ
パイプの先から水が流れる。

「棚田を作るメリットは?」
「風景が美しくあるために」

美しさは
生きることの
本質的なものなのだ。

もうすぐ ここに ホタルが舞いはじめる。
美しきために_c0357413_23310746.jpg


# by mixturamusic | 2016-06-01 00:00
作法
新緑の季節
秦野盆地は どこもかしこも
あざやかな緑でモコモコだ。

桜の花に気を取られていると
景色は いつのまにか
一変する。
作法_c0357413_07303336.jpg

今春も 福島・高柴のデコ屋敷で
橋本廣司さんのひょっとこ踊りと
共演させていただいた。

強風ときどき雨の天候のため
今回は屋敷の中での宴
天井に巣をかける
デコツバメも もどっていた。

足しげく通うデコ屋敷
代々伝わる三春張り子の人形は
どれも とても 魅力的。
『素晴らしい』などという言葉が
よそよそしく感じてしまうほど
親しい魅力である。

木型に和紙を貼り
乾かし
型から抜いて
張合わせ
膠と胡粉を塗り
絵付けをする。

江戸時代から続く
人形作りは
行程ごとに
家族が分業する。

寡黙に続く
それぞれの作業。
寡黙から生まれる
人形のいのち。
作法_c0357413_07595620.jpg

寡黙から生まれた
面をつけたとたん
デコ屋敷の神様たちは
陽気な姿で
降りてくる。

屋敷に 代々伝わる
教わらずに
覚える
自由な おどり。

こころの
臓腑まで
開けっぴろげに
おどる。

人形の表情は
ひょっとこ踊り そのもの。
ひょっとこ踊りは
デコ張り子そのもの。

高柴という土地に根付いた
数百年も続く 暮らしの中の
作法である。

・・・・

暮らしの循環を担う
ひとの営みは
自然と作法を紡ぎだす。

自然に
自己を離れ
欲と切り離され
偽らざるいのちの姿が
その営みに現れる。

作法とは
「トントントン」と
紙の角を揃えるための
ものなのだと思う。

・・・・

明々後日から九州。
美しき作法が実践されている
小鹿田にも行けたら…
と 思っている。







# by mixturamusic | 2016-05-02 08:35



  木下 尊惇 
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